この記事はTechnoTUT Advent Calendar2024 6日目の記事です。
はじめに
こんにちは、DJ 石倉です。初めましての方は初めまして。知り合いの方はチャオ!
とりあえず、自己紹介をしておきましょうか
- DJネーム:DJ 石倉
- 所属:情報・知能工学専攻修士2年
- 好きなもの:アニメ、読書、男主人公に好感が持てるタイプのラブコメ
- DJプレイジャンル:アニメ、ポップス、サブカル系(原曲・Remixどちらも可)
- DAW:Ableton Live 12 Suite
- その他:ギター弾ける、北海道生まれ
意外に思われるかもしれませんが、僕は大学のサークルでDJをしているんですよ。
DJって一見難しそうに見えるけど、人前でパフォーマンスするだけなら正直言って簡単です。極端な話、ボタンを押して曲を再生すれば、それだけでDJパフォーマンスができちゃいます。
もしギターなら人前で演奏するレベルに達するまでに最低3ヶ月は必要です。でもDJなら機材の使い方を覚えれば一瞬で人前で演奏できます。
ここまで説明を読んだみなさんはこう思ったのではないでしょうか?
「DJって実はあんまりすごくないんだ〜」と
もちろんそんなことはありません。観客を楽しませるDJをしたり、この人のDJが見たい!と思われるようになるには、他の楽器と同じように難しい道なりがあります。
そして、今年の僕のDJの目標は「価値のあるDJができるようになる」で、それはある程度達成できたと思います。
この記事では、なぜその目標を持ったのか、どうやって達成できたのか?を書いていきたいと思います。
値段がついているものには価値がある
「価値のあるDJをする」という目標を持ったのは、サークル外でDJをするようになったことが理由です。
これは確か今年度前半の話です。サークル外でDJをするためにDJ練習会に参加するなどして、IntroHopeやUnder Twenty Fiveという初心者向けDJイベントに出せていただけるようになりました。
本番では緊張しましたが、周りのDJが暖かく見守ってくださったので、いいDJができたと思います。(Under Twenty Fiveはコロナで出れませんでしたが…でも12月27日(金)の回に出るから来てね!)
外のイベントでDJをやるようになって考えたことが「観客って、金払ってイベントに来てくれてるんだよな…」ということでした。例えば豊橋から名古屋 栄のクラブに遊びに行くとして、約2千円ほどかかります。そして、クラブでは、チケット代やドリンク代などでだいたい飲み会に1回行けるくらいの金額になります。飲み会1回分のお金で、酒が飲めて音楽も聴けて踊れるクラブってコスパ最強では?
そして、今年は就活があったのも相まって「お金を出していただいている以上、価値あるものを提供しなければ…!!」と考えるようになりました。
ここで注意してほしいのが、売れないものには価値がないというつもりはありません。売れないものでも価値があるものはあります。
ただ逆に、売れたものには価値があります。どんなものであれ。
そう考えているので、「お金を出していただいている以上、価値あるものを提供しなければ…!!」と思ってしまうのです。
いや、本当はそこまで考える必要がないと思います。ただ自分はお金が絡むとこういった「価値のあるものを提供せねば…!!」「損させてはいけない…!!」という考えになってしまいます。これは性格なのでどうしようもできません。
また、すべてのDJが「価値のあるDJをしなければ!」とか考え始めると、DJの利点である多様なプレイヤーがいて面白いという点がなくなってしまいます。これはあまり良くないんじゃないかな〜と思います。
なので、価値のあるDJをするにはどうしたらいいのか?というのは考えたい人だけ考えればいいと思います。イベントに出る出ないに関わらず。
とまぁ色々話しましたが、そんなこんながあり「価値のあるDJができるようになる」がDJの目標になりました。
試行錯誤の日々
「価値のあるDJができるようになる」という目標を達成するために、色々と試行錯誤をしました。
曲の繋ぎを練習したり、他のDJのmixを聴いたり、音楽に関する本を読んだり、エンタメに関する論文を読んだり…などなど。
それによって得た知見のおかげでDJが上手くなったと思います。知見はおまけで軽く説明しているので興味があれば読んでみてください。
本当はここに書いておくと記事の展開的にもいいんだけどね…なんかDJ論語るの恥ずかしくて、おまけにしちゃった…!
目標は達成できた…!! たぶん…!!
色々と試行錯誤することによって「価値のあるDJができるようになる」という目標は達成できました!たぶん!
もちろん、自分よりも価値のあるDJをする人はたくさんいます。ただ、DJ石倉のDJを見たい!と思ってオファーしてくれる人がいたので、「価値のあるDJができるようになる」という目標は達成できたと思います。
マジでいい声のナヲン会に呼んでいただけてありがとうございます!おかげで自分のDJに少し自信を持つことができました!また、接続にトラブルがあっても暖かく助けていただいたおかげで、楽しくDJをすることができました!本当にありがとうございます!
いい声のナヲン会、いいイベントなのでみんな遊びにいこう!!
もちろん、技科大祭のステージやこれまでのサークルのイベントでも価値のあるDJができていたと思います。後輩のSebastianにもそう言われたし、サークルの仲間もめっちゃ褒めてくれたし。
ただ、観客がお金を支払って参加するイベントにオファーされるっていうのが、自分のDJに価値があるって事実が形になっていると感じるんですよね…マジで俺の思想、資本主義に侵されていて恥ずかしい…
あとは、月光さんから技科大祭 コモンズでのDJ後にヘッドホンをいただけたことも、自分のDJや曲に価値があると思っていただいた証なのかもしれません。本当にありがとうございました!(曲、作らねば…!!)
終わり
いかがだったでしょうか?
今年は「価値のあるDJができるようになる」が目標でDJを頑張ってきて、無事に達成することができた良い1年でした!
来年からは東京でちょくちょくDJをしていくと思うので、ぜひ遊びに来てください!
ここまで読んでいただきありがとうございました!!
明日はもってぃの「買って良かったプラグインたち&無料でも使いまくってるプラグイン」です!わたし、気になります……!!
そして、TechnoTUT DJmix Advent Calendar 2024にDJ mixを投稿しています!今回は僕の誕生日ということで『祝福』をテーマにDJしました!もしよろしければ聴いていただけると嬉しいです!
おまけ:役に立つかもしれないDJ論
おまけです。
「価値のあるDJができるようになる」という目標を達成するために試行錯誤して得た知見を共有していきます。これが正解だ!というつもりもないので話半分で聞いてください。
あと、方法論の言語化って実はよくないんですよ。
技術系はともかく、創作系の方法論の言語化はあんまり良くないと考えています。方法論を言語化してしまうと、言語化できた部分のみに意識が向いてしまい、無意識に考えて使っていた方法を使わなくなっちゃうんですよね。
だから、適当に書いていくし、たぶんこれが考えていることのすべてではないです。なんでも許せる人向けです。
1. グルーヴ感があるDJは良き
これは弊サークルのつよつよDJのひとりであるkomeziに教えてもらったことです。弊サークルでkomeziが主催した公募mixイベントで「どんなmixを評価するの?」と聞いたら教えてもらえました。ありがとう!
また、グルーヴ感は定義があるものじゃなく感覚的なものなので、言語化するのは難しいのですが、自分が感じるグルーヴ感を意識してセトリを作るとDJが良くなるかもしれません。
2. 人は次の展開を予想しながら曲を聴く
これは確か「音楽好きな脳 ~人はなぜ音楽に夢中になるのか~」という本に書いてあった内容だった気がします。違ったらごめん、でも面白いから読んで。
たぶんみんなも、意識的に 無意識的に次の展開を予想しながら曲を聴いていると思います。例えば、ビルドアップが来たら、これからドロップに入ると予想しますよね。また、曲が途中でいきなり止まったら気づくはずです。
このように、人は次の展開を予想しながら曲を聴いているんですよ。
僕がDJ mixをするときに意識しているのは、予想を裏切らない繋ぎをするということです。例えば、なるべく同じ雰囲気の曲同士で繋ぐ、BPMを落とすときは曲の終わりにEchoをかけて、観客に曲が雰囲気が変わることを意識させる、などです。このように曲を繋ぐことで、観客の予想を裏切らないようにしています。
また、これはグルーヴ感の要素のひとつだと考えています。
3. ベクトルが違う曲をセトリに入れる
みなさんは映画や記事がヒットするために、どんな要素があるといいのか知っていますか?
どうやらポジティブやネガティブな展開を行ったり来たりするような、感情の揺らぎがあるストーリーが良いみたいです。
「What Makes Content Engaging? How Emotional Dynamics Shape Success」という論文では、映画の字幕やネット記事に対し感情分析を行い、感情の周期的な変化、つまり感情の揺らぎがあるほどヒットしやすい、ということが説明されています。
まぁ確かに、笑いあり涙ありの映画は面白いですね。
新海誠監督の「君の名は」とかもそんな感じだったはずです。これより前の「言の葉の庭」や「秒速5センチメートル」は重苦しい雰囲気だったのに、「君の名は」では笑えるシーンもあるけど、感動するシーンもあるという感じだったので、感情の揺らぎがあるとヒットしやすいのは理解できます。
いやもちろん「言の葉の庭」や「秒速5センチメートル」も良い作品なんだけど、多くの観客にウケたのは「君の名は」だったって話で……痛いっ!殴らないで…!脳が…破壊される……!!
感情の揺らぎがあるとヒットしやすいという知識をDJで活かすためにはどうしたら良いでしょうか?
自分は、幅広いベクトルの曲をセトリに入れるようにしています。これによって観客を色んな感情にさせて、満足感を与えるんです。
また、ここでいうベクトルとは、脳内楽曲埋め込みモデルによって作成された楽曲ベクトルのことをいいます。え?なに言っているのかわからない?説明難しいから説明したくないんだけど、頑張って説明するね。
まず楽曲には色んな情報がありますよね。キーやBPM、タイアップ、アーティスト、歌詞 etc … これをベクトルで意識するために脳内楽曲埋め込みモデルで楽曲をベクトル化します。
ごめん、ダメだわ。つまりあれだわ、キーやBPMみたいな定量的な情報をごちゃまぜにしてフィーリングで考える的な…ダメだ、たぶん伝わらない!!
みんなも埋め込みモデルについて勉強しよう!僕は以下の本で勉強しました!指導教員ありがとう!
4. 脳汁を出させる
人がエンタメ作品を見る理由って脳汁を出したいからだと思うんですよね。
脳汁ってパワーワードだから使っているけど、要は脳を活性化させる的なことです。笑ったり泣いたりすると脳が活性化されるし、ガチャを引くとドーパミンが発生して気持ちいいです。
DJで観客に脳汁を出させるには、どうしたらいいのか?例えば、みんなが好きな曲を流すや、予想外の曲をかける、なんかすごいテクニシャンな繋ぎをするとかですかね。
僕もセトリを作る時は、脳汁ポイントをどこに置くかを考えながら作っています。その脳汁ポイントで気持ちよくなるために、セトリの展開を考えたり、ミックスの仕方を考えています。
おまけの終わり
いかがだったでしょうか?
割と雑めにDJ論を書いたので参考になるかはわかりませんが、お役に立てれば嬉しいです。
明日はもってぃの「買って良かったプラグインたち&無料でも使いまくってるプラグイン」です!こういう記事、ついつい参考にしちゃうんですよね。楽しみです!
そして、TechnoTUT DJmix Advent Calendar 2024にDJ mixを投稿しています!今回は僕の誕生日ということで、テーマを『祝福』としました。メッセージ性の強い曲を選んだので、いま説明したDJ論と合わない部分もあるかもしれませんが、楽しんでいただけたなら幸いです。