はじめに
昨日のの内容以上に,完全DTMer向けです.
今回はエフェクトの設定値とかを具体的に書いて,誰でも丸パクリできるような感じで行きたいと思います.よさそうだな,というのがあったらパクったり,それを皆さんなりに発展させたりしてみたください.てかそもそも,おおもとはどっかのYoutubeとかを参考にしたものばっかりです.
音を”まとめる”テクニック
バスコンプ
音をまとめるのに使うエフェクトといえば,「コンプ」という声がたくさん挙がるかなと思います.「バスコンプ」ってやつですね.とりあえずAkaichiがバスコンプとして使うプラグインと,その設定です↓
Lindell 50 はチャンネルストリップという種類のプラグインです.チャンネルストリップはアナログ系のEQとかコンプが1個のプラグインにまとまったやつです.若干ノブが多かったりする関係上いじりにくい奴が多いんですが,こいつは割と使いやすくて気に入ってます.
左から,プリアンプ,EQ,コンプ,ゲート,フェーダーって感じになってて,画像の設定だとEQとゲートは無効にしてます.
主な設定:
- VCAコンプ
- ATTACK = 10ms ~ 30ms
- RATIO = 2 ~ 4
- RELEASE = 0.3 ~ 0.5s(50÷BPMくらい)
コンプの設定は難しいんですが,テキトーだとダイナミック感が減っちゃうので注意です.でもかけないよりマシなことも多いんで,よくわからんっていう場合もかけといたほうが無難かなと思います.と言いつつAkaichiは全然コンプ使わない派だけど…
バスコンプが欲しいなら,それ専用のやつを買ったほうがシンプルでいいかなと思います.おすすめは各社のSSL 4000系かAPI 2500系とかの,パンチィなやつかな?Akaichiは持ってないんでレビューできませんが.
マルチバンドコンプ
説明不要な超有名プラグイン,OTTとか.Akaichiは逆張りで↓を使ってます.
主な設定(OTT系):
- Selectivity = 左から2~4番目
- Attack Hi./Lo. = 1~3ms
- Comp Ratio = 100.00(最大)
Auburn Lensはガッツリ潰すのにも,マスタリングにも使えるマルチバンドコンプです.操作が若干クセあるかな?とも思うんですが,音が崩れにくいところがいい感じです.マスタートラックに刺すのもおすすめしたい.くっきりクリアになります.
↓マスター用
主な設定(マスター):
- Selectivity = 最大(1番右)
- Attack Hi./Lo. = 0.2~3ms
- Comp Ratio = 2.00 くらい
- Dry = -inf (最小)
Auburn Lensは無料版(Free Edition)もあるんで,特に透明なマルチバンドコンプ/オートEQとか持ってない方はぜひ.OTTでよくね?
オートEQ
soothe 2が火付け役となった感じでしょうか。個人的に,現代的でプロっぽい音にするのには必須級なのかなと思います.Akaichiは↓を使い倒してます.
レゾナンス除去だけじゃなく,トーン補正も同時にできたり,リファレンス読み込みもできるのが最高っすね.あとなんといっても外せないのがグループ機能で,簡単に複数トラック間の帯域かぶりを取り除いてくれます.Akaichiの主戦力.Izotope?
主な設定:
- Impact = 60~100
- Smoothing = レゾナンス取りたいなら25,トーンバランス整えたいなら100
- Adaptive = 100
- Phase = minimum(宗教的にだが,Linearよりいい場合が多いと思う)
- 低域はオートフィルターではなく手動でローカット(120Hz,-6dBくらい)
EQでローパスフィルター
普通のEQで超高域の部分をカットすることによっても,まとまり感を出せます.EQはまあ何でもいいんですが,アナログモデリング系のEQを使うとモアベター.NeveとかPultecとか,あんま違いわからんけど.特にバンドサウンドや,チルい曲に.若干古風?なサウンドになる.
設定:
- 7~12kHzでローパス.それだけ.
サチュレーター・ディストーション
複数の周波数を含むの音に非線形歪みを加えると,非整次倍音が加わり….まあとにかくサチュレーターにも音をまとめる効果があります.
歪みの種類や深さとかの設定値は,楽器や雰囲気などでマジでまちまちですね.基本的に,ミックス全体で聴いて,歪み感が感じないギリギリまで上げるとよいと思います.
ローパスしたホワイトノイズをリングモジュレーション
↑この見出しを見て「???」ってなった方がほとんどだと思うんですが,ダイナミックなサチュレーションって感じの音です.ハイハットにクリスピー感を加えるのとかに.あとはストリングスとかに薄く掛けて空気感出したりとか.掛けすぎるとダメだけど,プロっぽい音になる気がする.
設定:
- Bias = 100%(最大)
- Rectify = 0.0%
- Freq. = 2.00~6.00kHz
- Spread = 100%
- Mix = 歪み感が出ないギリギリまで上げる
ちなみに,同じことができるプラグインとして,Abletonには「Erosion」というのが入ってるっぽいですね.
音圧上げテクニック
みんな大好き音圧上げ.音圧の上げ方は,「大きく聴こえるようにする方法」と,「(聴いた感じを変えずに)ピークレベルを下げる方法」の2種類に大別できます.
大きく聴こえるようにする方法
キックはデカく!
キックなどのアタックが強い音は,特にピークメーターとか見てると小さくしちゃいがちです.音量バランスをとるときは,メーターを無視し,自分の耳を信じましょう.
さらにマスタリングのときに,飛び出てるキックはリミッターで簡単に潰せますが,埋もれてるキックを上げるのはほぼ無理です.リミッターで潰される分大きくしときましょう.マスタートラックにリミッター挿してフェーダーを調節するのも手です.
ただしキックのフェーダーを上げるとすぐクリップしてしまうので,キックの音量を固定して他を全部下げましょう.Akaichiは,キックのPeakが大体-9dBくらいになるようにしてます.
トランジェントシェイパー
トランジェントシェイパーは,トランジェント(アタックの瞬間の部分)の量を調整できるプラグインです.個人的に,オートEQとともに,現代的でプロっぽい音をつくるのに必須なものの1つかなと思っています.
ここでは,アタックを強調して,ダイナミクスを増やす方向に設定します.トラック単体で見るとピークレベルが増えて,それに対するLUFSは下がるんですが,他の楽器への隙間を残してやるというイメージです.
使ってるやつ↓
4バンドのマルチバンドトランジェントシェイパーなんですが(Trans-X Multi),シングルバンド版(Trans-X Wide)もついてきます.マルチバンドだと帯域別にアタックをいじれるんですが,普通にシングルバンドのほうがいいときもあります.
マルチバンドサチュレーター
普通のシングルバンドのサチュレーターよりも,歪み感を与えることなく,ブーストすることができます.EQでブーストするよりもいい感じになることが多いです.Akaichiの使ってるやつ↓
ガチで何の楽器に挿しても音良くなります.ソフトクリッパーやリミッターも内蔵されているのもめっちゃ偉い.smart:EQ 4とともに,Akaichiの主戦力となっています.
設定方法:
- Factory Presets から「Full Reset」
- 上げたいとこを必要な分だけ上げる
- 音量がデカすぎる場合は,INPUTやOUTPUTで調節
ピークレベルを下げる方法
EQカット
必要ない部分を切ったり,帯域がかぶってる場合に住み分けをしたりします.
とりあえずキック・サブベース・重低音のインパクト以外は全部ローカットしましょう.そして200~500Hzあたりは音がかぶりやすいです.
ハイハット・ベル・Arp・Sweepとかは一回バッサリ切ってみましょう(300~1kHzくらい).
キックですら,20~30Hzで切ったほうがパンチが出てよくなる場合があります.低音の量が減った分はローシェルフEQでブースト.
ダッキング
基本(サブべ以外):
Akaichi的には,この2段になってる形がめっちゃ好きです.深さはReaper側のWetを75%とかにして調節してます.あとReaper付属のTime Adjustment Delayを使って,「10ms遅らせる→ダッキング→10ms早める」ってしてます.
サブべ用:
サブべは普通に1段で,リリース早めです.
サイドチェインリミッター
サイドチェイン信号にあわせてリミッターがかかるようなやつです.
Reaper付属ReaLimit
プラグインチャンネル数を4chにして,1,2chはボーカルのみ,3,4chはボーカルとKSB Busを入力して,マルチチャンネルでリミッターを掛けてます.もっといいやつ欲しいかも…
ルーティング
各トラックの信号の流れは,大体↓のようになってます.Brostepの生みの親であるSkrillex氏がやってるっぽいというミックス方法を見て,それを基にしてます.
※Sidechain = ダッキング
KSB Busという,キック・スネア・サブベースをまとめているのが割と特徴的でしょうか.
あとVocalsにKSB Busで,前述のサイドチェインリミッターを掛けてます.
なお,Sidechain用のトラック以外,ほぼ全部のトラックにリミッターを挿してます.これもきれいに音圧爆上げできるんでおすすめです.
以上です!よいDTMライフを!